年に一度、彦星と織姫が手を取り合える夜。
大阪の空はなんとか、雲を吹き消すことに間に合ったみたい。
ギターのレッスンからの帰り道。信号待ちの交差点で空を見上げた。
そこはまだアチコチのネオンが眩しすぎて、空がよく見えなかった。
だから、いつも帰る道とは少し違う、車のあんまり通らない河沿いの道を選んで走った。
途中で、少し、バイクを止めた。
そしてそのまま、空を見上げた。
ちょうど真上に小さな星がひとつ見えた。
よかった。彦星と織姫は、今年もちゃんと会えたんだ。
もしもお天気が悪かったとしても、雲の上の、地上からは見えないところでこっそり会ってるのかも知れないな、なんて考えて少しおかしくなったり(笑)。
長いこと短冊に願い事なんて書いていないけど、もし、今書くとしたらこう書こう。
「一度でいいから、ワタシの彦星様とデートさせてください(笑)。」